josepheneの日記

適当に思ったことを書いてます。

地元の友人宅に家電をかけた話

地元の友人で浪人生がいる。

一浪中は街中で偶然出会って会話して、受験結果の報告まで受けていた。

それから先、LINEで誰も既読がつかなくなっていたので思い切って家電をかけた、そんな話。

 

その友人は中学で同じ部活だった。登下校の電車の方向も一緒だった。部活動見学後に車内で向こうから声をかけてくれたのが始まりだった。

部活中は基本的にその友人とペアを組んだ。休みの日には市営施設で練習だってした。部停をくらったときには庇ったりもした。引退あたりの試合では地区予選落ちだったが弱小部なりに大健闘した。部活以外でもママチャリに乗って100km近い距離を何度かサイクリングした。

高校ではお互い帰宅部だった。クラスも離れ、自然と会う回数も減っていったが会えば必ず話し込んだ。彼のハマっていたアイドルのことはわからなかったから勉強のことで。

自惚れかもしれないが正直、彼の一番の友人だと思っている。誰か一人、連絡を取るとしたらそれは自分だと思った。

 

電話をかけるにあたって、まず実家で連絡網を探すところから始まった。案外すぐに見つかった。

次に悩んだのがタイミング。既に大学生活を送っているのか、浪人生活を続けているのかわからなかったので夏休み、冬休みにかけるのは迷惑だと思った。長期休暇中しか地元に帰らないので運良くお互い暇でも直接会うのは難しそうだ、ということがなかなか連絡できないでいた理由だ。

そして家電、ということはおそらく彼の親が出るはず。断られないだけの理由が必要だった。大した理由もなく数年ぶりに連絡を遣すなんて、宗教勧誘や詐欺だと疑われそうな気がしたが、運良く同窓会の話が入った。

他の友人たちも彼と連絡が取れない、と話していたからきっとこの話は伝わっていないはず、いい口実ができた、と思った。

自分の大学での内容がひと段落ついた土曜日に思い切って電話をかけた。予想通り母親が出た。

「もしもし、〇〇高校の○期卒業生の、のりよしです。〇〇くんはいらっしゃいますか。」「そうですか、では本人にかけ直させますので、電話番号を教えてください。」「わかりました...」...

そうして、電話番号を伝えて彼からの電話を待った。20分くらい待った。

LINEでかかってきた。どうやら電話番号の下一桁が伝わっておらず、当てずっぽうにかけるわけにもいかないからと再インストールしてくれたとのことだった。

第一声、何を言おうか迷った。相手のくぐもった声からして今日まだあまり言葉を発していないんだな、とかそんなことを考えていた。

彼の方から近況を話してくれた。途中挫けながらも現在も浪人生活を続けていること、医学にこだわるのはやめたこと、今は少しバイトをしながら学習スペースに通っていることなど...。今はただ大学生になりたい、と言っていた。(現役時にも非医学系学科で国立大学に合格はしていた人だからそれは確実になれると思う)

こちらも自分の近況、気にしていたので他の友人たちの近況や集まりについて覚えているだけ伝えた。

「大人って意外としっかりしていないんだな」と言われ、自然と自分の親との不仲を話しかけたところで彼の言うおとなはバイト先の人のことだと知った。昔は親と喧嘩がちだったのに、しっかり向き合ったんだ、と思った。

「最近ボカロを聴くようになった」と言っていた。自分もよく聴くのでお気に入りの曲や良さについて語り合った。「Jpopを聴いているとたまに、シンガーソングライターならわかるが、誰かの作詞、作曲にただ声を乗せただけに感じられて苛立ってしまう」という意見に同調してくれて嬉しかった。彼は「今時の歌はI love youが薄っぺらい」と言っていた。そして、自分と違って曲の構造的な(?)理解が深い人だから、「この人は初音ミクであまりロングトーンを使わない(から自身の趣向とは異なる)」とか「この人の調声はこの辺りが特徴的で~」とかいろいろ語ってくれた。

 

「いまだに連絡をくれるのは君だけだよ。」と言ってくれたことが嬉しかった。連絡してよかったと思った。

4時間は話した。その後は作業通話状態で彼は勉強、自分は部屋の片付けをしながら、最終的に11時間通話していた。LINE電話でよかった。自分が寝落ちかけたから切った。

「同窓会として100人規模で集まるよりも気の知れた友人たち数人規模で焼肉がしたい」と言っていた。肉匠坂井が好きだと言っていたことを思い出した。タイミングがシビアだけれど合格祝いで集めよう、と思った。

 

消息不明の友人とまた連絡を取り合えるようになったのでよかった、と言うことでこの話はこれまで。